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製本版「響空の言祝」

  20, 2017 19:07
 Twitterでは先にご報告いたしましたが…
 2015年9月に発行した製本版「響空の言祝」が、先日完売いたしました!
 手に取ってくださった皆様。素晴らしい絵を添えてくださった四季まこと様、秋空蒼様。丁寧な解説を寄せてくださった青柳朔様。心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました…!
 製本版で拙作に出会ってくれた方も、オンラインで拙作に出会って製本版をお迎えくださった方も、もちろん、オンラインで拙作を読んで楽しんでくださった方も、出会いに感謝、感謝、です。

 WEBで完結を迎えた時に、旧ブログにあとがきもどきを書いているのですが、今回は製本に際してのあれこれについて、好き勝手語らせてください。お付き合いいただける方は追記からどうぞ。長いです。笑

さんぷる2

 まず、カバーについて。
 美しい装画は四季まこと様に手掛けていただきました。
 まこと様の絵との出会いはpixiv。響空の装画をどなたかに依頼しようと、「草原」や「空」というキーワードでひたすら検索をかけていた際に出会いました。
 やわらかさをもちつつも鮮やかな筆致で描かれた、どこまでも続く空と草原、そのあわいに立つ生き生きとした人びとの姿。風がこちらに溢れてきそうな絵に一目惚れだったのです。
 依頼メールを読み返していますと、私のあらゆる意味で至らない依頼に、根気強く、丁寧に真摯にご対応をいただいたことが改めてわかります…。
 ソラトとハフリの衣装、フウに至るまで全てとても精緻に書き込んでいただきました。ふたりの頭上の鳥は歌鳥のイメージです。響空を読んでくださった方の中には、カバー絵の小さな齟齬(ハフリが三つ編みなのにフゥの羽が開いているなど)に気づかれた方もいるかもしれませんが、リテイクをお願いしなかったのは、まことさんが想起してくださったこの一枚絵で世界観が完成しているような気がしたから、と、過去現在未来すべてがこの画面に詰まっている印象を大切にしたいと感じたからでした。
 あと、まことさんが描かれた他の空や草原の絵を見ていただくとわかるのですが、響空言祝の装画の空と草原は、彩度高めの、ある意味非現実的な色合いで仕上げて頂いています。
 この色合いと彩度をなるべく保つために、カバー印刷はCMYK印刷ではなく、RGB印刷でお願いしました。

 カバー全体のイメージは、C★NOVELSを意識しています。背表紙のマークとかも。厚みがあともう少しあればよかったなあと思ったりします。本棚でCノベと並べると存外薄い。

製本版ロゴサンプル

 ロゴ。私にしてはかなり健闘したほうだと…思っています。絵の邪魔をしないように、けれど小さくなりすぎないように、が目標でした。
 慣れないイラレを駆使して明朝の角を柔らかくしたり(墨だまり?)、上部を弧を描くようにしたり。そのあとフォトショでペンを使ってきらきらさせました。

製本版バーコード

 裏表紙上部。バーコード上段は「Turangalila」、下段は「I can fly」と「fly away」を合体させたものになっています。
 「Turangalila」の意味は正月にあげた掌編をご一読いただければ。
 「I can fly」と「fly away」は…私の最愛のアニメ作品「交響詩篇エウレカセブン」から。
 「アイキャンフライ」は主人公レントンが一話と最終話に叫ぶ印象的なセリフ(これがまた、彼の成長ぶりが感じられて感動するんですよ…)。
 「Fly Away」は伊沢麻未さんが歌っているEDから(Youtube)。歌詞がまたボーイミーツガールな感じで、とても素敵なんですよ…是非是非。
 右側のISBN番号もどきはそのまま「SING4-YOU」=「SING FOR YOU」です。あなたのために歌う…的な…(英語苦手)
 
 あと!色薄くしすぎてほぼほぼ潰れてしまったカバーの折り返し部分!笑 実はこんなことが書いてありました。

うたとり【歌鳥】癒しの歌/やまからす【山烏】優れた身体能力/よくじゅう【翼獣】翼をもった合わせ成るけもの/おりづる【織鶴】器用な手先/あかたか【赤鷹】人並み外れた視力/ときとり【時鳥】未来予知能力/あとり【花鳥】不老長寿/やとり【夜鳥】読心能力/あまつばめ【雨燕】雨雲を操る/くもすずめ【雲雀】動物との意思疎通が可能/ろうかい【籠界】観測区域№1から105の総称/かんかい【檻界】観測区域№105以降の総称/かりうど【狩人】籠界民による我らの呼称/きょうかい【境海】籠界と檻界を隔てる大海/うみねこ【海猫】風を操り船を繰る/とらつぐみ【虎鶫】巌をも砕く怪力/いぬわし【狗鷲】優秀な反射神経と直感力
「響空の言祝」とも呼ばれる歌鳥の民の歌は、古代語で「Turangalîla」と表記されている。これらの文字がなんと発音されていたのかは今やわからない。ただ、「Turanga」は「時」「時間」「天候」「楽章」「拍子」を表し、「Lila」には「遊戯」「競技」「作用」「演奏」あるいは「愛」「恋」「恋愛」などをさすとみられる。この二語からなる造語「Turangalila」には「愛の歌」や「喜びの聖歌」「時間」「運動」「生命」「死」等の意味があると推察される。
とある男の手記の一部


 響空の言祝の世界観は実は…というちょっとした裏話?小ネタでした。

裏サンプル

 カバー下表紙。生き生きとした四人組は秋空蒼様に手掛けていただきました。
 秋空様はちょうど製本のカバー下について考えていた時期にTwitterでご縁のあった方で、落ち着いた色彩で生き生きとしたキャラクターを描かれます。
 響空の言祝は私が初めて完結させることのできた長編で、しかも完結させるまでにとても時間のかかった(七年くらい書いてた)話でもあります。私は自分の遅筆さを十二分に知っていたので、次のこのボリュームの個人誌を出せるのはもうしばらくないなと思って、響空の言祝の製本ではやりたいことはできるだけやろう、という心持ちでいました。
 そのなかで、どうせならスオウとツムギを含めた四人を絵で拝見したいなあという思いがあって。あとは読了後に楽しんでいただけたらというのもあって、カバー下のイラストを秋空様にお願いいたしました。なのでカバー下のハフリの髪は短いのです。四人ともとっても可愛らしい&かっこいい、ですよね…!
 
 カバー下の裏表紙に掲載したSSは、書き下ろしではなく既存のもの。
 ナナミ様に響空の言祝から着想を得た曲「Blessing-空と風と鳥たちの唄-」を作っていただきまして、それのアンサー?…いや、ナナミさんの曲からインスピレーションを得て書いた「Blessing」という掌編です。ハフリ父視点の話でした。
 本編中では明言がないままでしたが、ハフリの父は旅人であり、作中でいうと「狩人」、つまりは体の内側に「鳥」を持たない人々でした。狩人については説明不足感が否めないのですが「どこにも属せない飢餓感を抱えた人々」というのがイメージの根底にあります。
 彼らは銀色の髪と鈍色の瞳をしていて、作中、スルガが自らの髪(薄い銀髪)を隠していたのは、狩人と勘違いされることが度々あったからという裏設定(と言ってもこれもTwitterとかで度々言ってましたね…黙っていられない作者ですみません…)。

 あ、あと装丁に関しては、本文…本文用紙ですね…真っ白なのは完全に私の発注ミスでした…。
 響空の言祝は編集は私が長野でして、本体は千葉の実家に送ってもらったのですが、妹から届いた写メを見た瞬間「白…白くない??白いね??」となったのを今でも覚えています。印刷会社のミスではなく私の発注…ミス…眩しい紙面ですみませんでした。
 あと文字!やっぱり小さかったですね。紙面に対してのフォントサイズの塩梅は未だに難しいです。
 そして誤字脱字諸々は誠に申し訳なく…特に「答え」をすべて「こたえ」に置き換えた時に発生した「返答=返こた」はさすがにあんまりにあんまりだったのでシール修正しました(しかもことごとくシリアスな場面だった)。
 校正の甘さはこれからの最重要課題だと思います本当に。

 あと、現在サイトに掲載されている本文は製本に際して加筆修正を加えたものです。
 2015年1月4日に完結したwebでの初稿とはいくつか相違点というか加筆がありまして、大きなところとしては旧web版ではハフリが前髪を切るシーンの手前にあったスオウが「オレのお嫁さんになれば、生贄にならんですむかも(意訳)」と言い出す場面をカット(理由:即ハフリに断られるから、スオウの扱いがあまりに雑、頭が悪そう)。あとは終章の冒頭にハフリとツムギの会話、あとはホタカ(他の村人)との交流を入れました。
 その他覚えているところだと、一章でハフリがソラトのために本を探しにいく場面の加筆(父の遺した本に対する葛藤)、終章で山烏の村を出るときのオウミとリクヤとの別れの加筆…などでしょうか。その他にもちょこちょこ加筆してます。

 そして、青柳朔様の解説。とても丁寧に、大切に、愛を持って拙作を読んでくださったことの伝わる文章をご寄稿いただきました。

 タイトルにある、言祝。
 ことばによって祝福すること。
 ではこの物語での言祝とはどこだったのか。どのセリフだったのか。
 私は、ソラトの
「歌えるよ、きっと」
 だと思っています。なんてことない一言なのに、私の中ですとん、と落ちてくる言葉でした。きっとハフリにとってはそれ以上の力をもった言葉だったのだと思います。
 森から抜け出してはひとりで小さくなっていたハフリに、私は言ってあげたい。歌えるよ、きっと、と。歌えるんだよハフリ。


 朔さんの解説のおかげで、「歌えるよ、きっと」は私にとっても大切で大好きなセリフになりました。

 最後に、本自体の仕様を。
 カバー印刷:印刷のグラフィック
 コート135kg/片面PP貼(つやあり)加工/RGB再現重視印刷
 本文印刷:STARBOOKS
 表紙:キュリアスIR_パール_146K/本文キンマリSW_70K/遊び紙:タントセレクトTS-7(レース)_P-67(みずいろ)_100K/本文フォント:ヒラギノ明朝

 今月で、響空の言祝を完結させてちょうど丸2年になります。
 長編を完結させること、製本したこと、本をどなたかに届けること。あらゆること、すべてのことが一人では絶対になしえないことばかりでした。あたたかいお言葉や宣伝へのご協力、本当にありがとうございました。すべてのご縁に心から感謝を申し上げます。
 そしてこんな長文を最後まで目を通してくださり、本当にありがとうございました。  

 もしよろしければ、今後とも当サイトと作品、気が向かれたら私にも、のんびりお付き合いいただければ幸いです。


PS:こそことアンケート、やってます。笑

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