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奇石人形更新お知らせ(+SS)

  03, 2017 23:32
 2017年初更新です。
 一章「7.留守番」です(なろうカクヨム)。結論から言いますと、案の定、留守の番はできていません。
 ラギはなんでもポケットに突っ込むので、エルーは洗濯のたびに絶句していそうだなと思います。
 本編に書く隙間がなかったことですが、アイトラではトナカイの肉の仕入れはごく稀で少量です。トナカイは北方境界以北に生息していますが、「そもそも北方境界って?」とか「風の終とアイトラの気温差って?」については、近いうちに、書き記したいです…ラギの頭がパンクしないようであれば。

 追記には思いつきで書いたSSを。
 拍手・コメント、ありがとうございます!次回また改めてお返事させてください。

『Night night』

*Lagideus

 そのこども。毛布など足許に蹴散らして、手足を投げ出し眠っている。
 寝台に身を横たえれば、意識はすぐに夢へと旅たってしまう。悪夢から逃れてからはなおのこと。眠りに落ちた彼は無防備だ。まるで世界の全てに全幅の信頼を置くかのように。
 そんな彼の部屋の扉を開けたのは、家事を終え自室に戻ろうとしていたこども。金茶の瞳に影を揺らしてしばし間抜けな寝顔を眺めていたが、小さく息を吐き毛布をかけ直してやると、静かに自室へ戻っていく。

*Aielûros

 そのこども。頭から爪先まで毛布にくるまり、膝を抱きしめ眠っている。眠ろうと、している。
 ひとりで寝るには広すぎる寝台。空いた空間を意識するのが嫌で、毛布に潜り込んでいる。荒れた手に塗布した薬の薄荷香が、毛布の内側を満たしていた。
 そんなこどもの様子を蝋燭片手に見に来た娘は、一度寝台に腰をおろし、こどもの名を呼んだ。エルー。アイエルーロス。こどもが無視を決め込んでいるのを察すると、寂しげに微笑い「おやすみなさい」とささやいて、部屋を後にする。

*Rhodanthe

 その娘。寝台に身を横たえることなく、机に伏して眠りに落ちる。
 時刻はまだ夕方だったが、彼女は夜に眠ることを厭うたちだった。日中に浅い睡眠を幾度かとって、夜は工房か書斎で作業をする。雑音を排した静寂が、彼女の仕事と研究には必要だった。
 そんな娘の部屋に顔をのぞかせたのは、勉強道具を抱えた少年。課題を課したまま戻らない娘を探していたのだった。起こすかしばらく悩んだ末、彼は手近にあった毛布を彼女にかける。そして自分もまた、長椅子に身を横たえると、夢の世界へと旅たった。
 
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「まったく。ふたり揃ってこんなところで寝て。風邪をひきますよ」
「風邪をひく前にエルーが起こしてくれると思っていたわ」
「……アイエルーロスです、ローダンテ様」
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